2016年10月3日月曜日

修学旅行によせて(団長あいさつ)

校長 佐藤 清信
 
 
 「いづくにもあれ、しばし旅たちたるこそ、目さむる心地すれ」これは、『徒然草』の中で兼好法師が述べた言葉である。「どんな土地でも、旅をすることは、目の覚めるような新鮮な気持ちがするものである。」という意味です。
 
 旅行の目的の一つは、日常の生活では得られない体験を通して知識を吸収し、完成を磨くことである。近隣の山々とは、おおよそ異なる山梨県での自然体験、世界の主要都市東京での自主研修などの企画の意義は、まさにこれだと思います。
 
 みなさんのような若くみずみずしい感性は、年をとってからでは感じることのできない新鮮な発見が可能だと信じています。積極的な取り組みをして、大いに学んでほしいと思います。
 
 さらに、旅の新鮮さについてのもう一つの側面は、住み慣れた土地、すなわち日常生活を離れることによって、普段見慣れた人や物ごとの価値がわかるということなのです。
 
 旅行の目的の二つは、友達や先生、さらには自分自身の隠れた一面を発見し連帯感や親しみを深め、また、大都会の暮らしぶりと故郷を比較して、郷土のよさを再発見してください。
 
 そして、修学旅行は学校行事のひとつで、高校生活の思い出をつくるという目的ともあり、素晴らしい思い出を作って欲しいと思います。また、集団宿泊的行事として、学年という大きな集団、クラス、そして小さなグループの行動体験を通して、責任感・協調性・団結力が一人ひとりの心に育っていくことを大きな目的にしていることを忘れないでください。さらに、社会の構成員の一人として、公共のマナーやルールを遵守し、旅先の人々との出会いを大切にしてください。
 
 最後に、多額の旅行費用を負担してくださった保護者の方々、期間中お世話してくれるJTBの添乗員の方々などへの感謝の念も常に忘れず、この修学旅行が、新たなる自分とであり、豊かな心(感性)を育み、将来の夢へとつながる一助となることを願っています。

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